こんにちは、アーモンドがラグビーボールに見える、ウマンガンです。
2023年ラグビーワールドカップがついに開幕しました!
初戦は開催国フランス対ニュージーランド、いきなりの優勝候補同士の対戦となりました。
ラグビー観戦歴18年のウマンガンが、
両国の対戦を振り返ってみました。
以下、試合内容と結果を含む記事となっていますので、ネタバレ注意です!
(いや、タイトルで既に・・・)
2023ラグビーワールドカップ 初戦 プールA フランス vs ニュージーランド 試合結果
試合概要
2023年9月8日(現地時間)パリ・サンドニ
プールA 第一節
フランス vs ニュージーランド
最終スコア 27 – 13
フランスの勝利
過去3度の優勝を誇るニュージーランドが勝利を挙げるのか、
ニュージーランド相手に何度も番狂わせを起こしてきた強豪フランスの対戦。
結果は、フランスの見事な勝利に終わりました。
ウマンガンの予想は当たったのか?
ニュージーランドの勝利と予想していたウマンガン、
見事に予想を外してしまいました。
いやいや、ニュージーランドのプールステージでの初黒星の相手は
南アフリカかオーストラリアやと思てましてん・・・
まぁ外れると定評のあるウマンガンの予想。
みなさん逆張りのご参考とされてはいかがでしょうか。(自虐)
スターティングメンバー
まずはスタメンをご紹介。
背番号 / ポジション | フランス | ニュージーランド |
---|---|---|
フォワード | ||
1 左プロップ | レダ・ワルディ | イーサン・デグルート |
2 フッカー | ジュリアン・マルシャン | コーディー・テイラー |
3 右プロップ | ウイニ・アトニオ | ネポ・ラウララ |
4 ロック | キャメロン・ウォキ | サミュエル・ホワイトロック |
5 ロック | ティボー・フラマン | スコット・バレット |
6 フランカー | フランソワ・クロ | トゥポウ・バアイ |
7 フランカー | シャルル・オリボン | ダルトン・パパリイ |
8 ナンバー8 | グレゴリー・アルドリット | アーディー・サベア |
ハーフ | ||
9 スクラムハーフ | アントワーヌ・デュポン | アーロン・スミス |
10 スタンドオフ | マチュー・ジャリベール | リッチー・モウンガ |
バックス | ||
11 左ウイング | ギャバン・ビリエール | マーク・テレア |
12 インサイドセンター | ヨラム・モエファナ | アントン・レイナート・ブラウン |
13 アウトサイドセンター | ガエル・フィクー | リーコ・イオアネ |
14 右ウイング | ダミアン・プノ | ウィル・ジョーダン |
15 フルバック | トマ・ラモス | ボーデン・バレット |
フランスはベストメンバー。(実はよく知らない笑)
キャプテンの9番・デュポン率いる屈強で鋭い攻守は、
伝統のシャンパンラグビーを煮詰めたもの(どんな表現だよ)。
ここ数年の好調を本大会直前まで継続しています。
ニュージーランドはキャプテンのサム・ケイン、
主力のジョーディー・バレットやダミアン・マッケンジーが欠場。
大黒柱のブロディー・レタリックがベンチスタートと、
既に野戦病院状態の様相で、万全とは程遠い状況です。
試合経過
前半
前半2分
ニュージーランド、トライ (11 マーク・テレア)
スコア 0 – 5
深い位置のラックから中央に展開して、バレットのキックパス。
大外で余っていたテレアが、バウンドしたボールを落ち着いて抑えて
余裕の見えるトライ。
モウンガのコンバージョンキックは失敗。
前半5分
フランス、ペナルティーゴール (15 トマ・ラモス)
スコア 3 – 5
ニュージーランドのペナルティからラモスが危なげなくペナルティーゴールを挙げる。
前半20分
フランス、ペナルティーゴール (15 トマ・ラモス)
スコア 6 – 5
フランスが再度3点を挙げ、逆転。
前半25分
ニュージーランド、ペナルティーゴール (10 リッチー・モウンガ)
スコア 6 – 8
ニュージーランドがペナルティーゴールの3点で再逆転。
前半29分
フランス、ペナルティーゴール (15 トマ・ラモス)
スコア 9 – 8
フランス、再逆転。
前半34分
フランス、ペナルティーキックを失敗。
前半終了。スコアは 9 – 8 でフランスのリードで折り返す。
前半総括
フランスは強力フォワードを活かして最強ニュージーランドに対して堂々たる戦いぶり。
一方のニュージーランドは、ペナルティーから得点を重ねられる結果に。
フォワード戦はほぼ互角に見えましたが、ペナルティーを重ねたことで
ニュージーランドがブレイクダウンの攻防を避けているように見えました。
これが、後々に効いてくることになります。
後半
後半3分
ニュージーランド、トライ (11 マーク・テレア)
スコア 9 – 13
ピッチ中央からチップキックで裏に抜け出したジョーダンがボールを確保。
素早い展開から大外へのロングパスがフランスウィング陣の裏を取り、
再びテレアがトライを挙げ、再び逆転。
裏へ抜け出した後でのラックでのボール確保で勝負あり!
トライを決定づけました。
モウンガのコンバージョンキックは失敗。
後半12分
フランスの大チャンスもトライならず
ニュージーランドのお株を奪うようなフランスのキックパスからプノが抜け出し
右隅へトライ!
と思われたものの、直前でモウンガのボールへ絡むスーパータックル!
プノのノックオンを誘い、トライならず。
後半15分
フランス、トライ (14 ダミアン・プノ)
コンバージョンキック成功 (15 トマ・ラモス)
スコア 16 – 13
直前のトライ未遂をものともせず、フランスが攻勢を継続。
ジャリベールの素晴らしいランとパスを受けたプノが
ゴールラインに飛び込み逆転トライ!
難しい角度からラモスがしっかりコンバージョンを成功させました。
後半18分
ニュージーランド、イエローカード (14 ウィル・ジョーダン)
後半20分
フランス、ペナルティーゴール失敗 (15 トマ・ラモス)
後半25分
フランス、ペナルティーゴール (15 トマ・ラモス)
スコア 19 – 13
後半34分
フランス、ペナルティーゴール (15 トマ・ラモス)
スコア 22 – 13
残り6分でフランスがトライ圏外に突き放す、ペナルティーゴール。
後半38分
フランス、トライ (23 メルビン・ジャミネ)
スコア 27 – 13
後がなくなったニュージーランドのランを止めたフランスが
ターンオーバー!即座に裏にキックし、バウンドしたボールを
競り合ったジャミネが確保し、そのままゴールラインに飛び込みました。
ダメ押しとなるトライでニュージーランドの息の根を完全に止めました。
コンバージョンキックは、失敗。
後半終了。最終スコアは 27 – 13。
フランスがニュージーランド相手に見事な勝利を挙げました。
後半総括
後半は幸先よくトライを挙げたニュージーランドでしたが、
後半の得点は冒頭のトライでの5点のみ。
その後はフランスが文字通り圧倒し、地力の差を見せつけて勝利する結果となりました。
フランスは要所要所でペナルティーを奪い、
着実に3点を積み重ねて勝利を手繰り寄せました。
勝利をほぼ決定づけたのは後半34分のペナルティーゴールと後半38分のトライでしたが、
後半25分の得点でほぼ趨勢が見えた試合でもありました。
後半10分頃から続くフランスの攻勢に、ニュージーランドは終始押される展開。
ジョーダンのイエローカードによって徐々に切り崩されていきましたが、
既にジリ貧となっていたニュージーランドにとっては、必然の結果だったように思います。
試合全体を通しての所感
フランス、盤石の勝利
大会前からの好調をそのままこの試合にぶつけることができました。
自慢のフォワード陣を活かした堂々たる戦いぶりで、
ニュージーランドを浮足立たせることに成功しました。
フランスは、これでワールドカップでニュージーランドに3度勝利した、
初のチームとなりました。
ニュージーランド、初のプールステージでの敗北
ニュージーランドは全10回のワールドカップで初のプールステージでの敗北。
これでプールステージでの戦績は31勝1敗となりました。(鬼成績 笑)
結果だけではなく、負け方が何より衝撃的でした。
後半は手詰まりでほぼ何もさせてもらえず、フランスに力負けする結果で、
ニュージーランドの実力に大いに疑問符が付く結果となってしまいました。
前半からキックを多用し、得点を挙げたのはよかったものの、
それは、互角に見えたフォワード戦から逃げた結果のように感じられました。
前半でフォワード戦で優位に立ち、後半は得意のランで突き放す。
その王道の戦いができなかったのか、敢えてやらなかったのかは分かりませんが、
前半の得点を優先する戦い方が大きなツケとなり、終盤に圧倒される結果と
なったのではないでしょうか。
今後の両チームの展望
フランスは順風満帆
フランスは開催国のアドバンテージを活かして
ニュージーランドに見事勝利を挙げました。
これで、プールA首位突破は確実なものとなりました。
プールB2位での突破が南アフリカ、アイルランドのどちらになるかは
現時点では不明ですが、フランスが彼らに対して一歩も引かない戦いを見せることは確実。
このまま優勝まで突っ走ることも予感させる、素晴らしい戦いぶりでした。
残りプールステージの3試合は、彼らにとっては消化試合となりますが、
少し心配なのはフランス特有のムラっ気。
最後のコンバージョンキックの失敗に、その性格が如実に現れています。
最終節の10月7日にはイタリアと激突します。
決勝トーナメントに向けて主力を温存したいところですが、
イタリアも近年力をつけてティア1に相応しい実力を備えてきました。
決して手を抜いて楽に勝てる相手ではありません。
彼らに敗北して、まさかのプールステージ敗退・・・
ということもあり得るだけに、最後まで気が抜けないプールステージとなりそうです。
ニュージーランドの現在地はここではない
一方のニュージーランドは傷心の初戦敗北となりました。
しかし初戦敗北となった南アフリカが優勝した前回大会の例もあり、
地力のあるニュージーランドにとっては逆に良い薬となる可能性もあります。
過去2回のフランス相手の敗北では、自らの長所を見失い混乱し、
自滅して崩れていったニュージーランドでしたが、
今回の敗北は完全に力負けと言った印象で、
これまでよりも深刻な敗北といえるかもしれません。
しかし、主力を複数人欠いており、万全ではなかったのも事実。
彼らが万全の状態で復帰したとき、元の自信にあふれたオールブラックスになるのかが
優勝カップの所在を左右するものとなりそうです。
ニュージーランドに物申す
ニュージーランドについて個人的な感想を述べますと、
今のニュージーランドは以下の並びが「最強」だと思っています。
10 モウンガ 、 12 バレット兄 、 15 バレット弟
10番のファーストチョイスは、モウンガ。
彼の細かく早いパス展開において、
ニュージーランドはその最強の攻撃力を最大限に解放することができます。
そのためには、多彩なスキルと戦術眼を併せ持つ12番がパートナーとして必須になります。
その早い展開についていけるのは、ボーデン・バレットしかいないでしょう。
そうすると自然、インサイドの守備が心もとなくなるため、
広い守備範囲と屈強さを併せ持つ、ジョーディー・バレットが15番として最適
というチーム設計になるのではないでしょうか?
ボーデン・バレット、ダミアン・マッケンジーの二人は世界トップの力を持つ
スタンドオフではありますが、ランにその最大の特長があり、
どちらかというと15番にこそ適正があると考えています。
あくまでも、ニュージーランドの、という意味ですが。
多能さを考えるとバレット兄の先発は外せない。
ここに、ニュージーランドのジレンマがあるのです。
世界最高の選手、バレット兄を持て余しているこの現状が、
ニュージーランドを中途半端なチームにしてしまっている一因となっています。
フォワード陣に全幅の信頼があった2011,2015年大会と比べて
明らかにフォワードの優位性を失っている現在のニュージーランド。
防戦一方になるとなすすべなく敗れる、という姿をここ数年何度も見てきました。
これまではバレット兄を10番や15番として起用することが多かったのですが、
思い切って12番に固定し、攻撃に軸足を大きく移動して戦うほうが
良いのではないか、と考えるのですが、、、いかがでしょうか。
それくらい開き直って戦わないと、今後の勝利は望めないのではないか、
そう思わせられるようなフランス戦での敗北でした。
まとめ
2023ラグビーワールドカップ初戦、フランス対ニュージーランドは
開催国フランスがニュージーランドにプールステージ初黒星をなすりつける
結果となりました。
試合の展開や総括を記事内では紹介しました。
また、今後の両チームの展望を占いました。
今後も熱い試合が続くラグビーワールドカップ。
是非とも、みなさんお見逃しなく!